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新赤倉温泉

新赤倉温泉

旅館おかやま

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左から支配人の紘一郎さん、孫の竜之介さん、若旦那の慎太郎さん

INTERVIEW

旅館おかやま

支配人 岡山紘一郎さん
若旦那 岡山慎太郎さん

妙高山のたおやかな山裾に建つ、和モダンな雰囲気の温泉宿。新赤倉温泉で3代にわたって宿を営んでいます。70余年紡がれてきた歴史と、これからの旅館運営への想いについてお聞きしました。

牧場経営から始まった「旅館おかやま」

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旅館おかやま二代目支配人の紘一郎さん

 紘一郎氏 生まれは樺太なんですが、裸一貫で引き揚げてきて、ここに落ち着いたのは昭和22年。私が4歳のときです。親父はオリンピックに樺太代表で出場したスキー選手だったんですよ。ですから最初は、冬はスキーの指導で、夏は牧場経営で牛や馬の世話をして、生計を立てていました。当時、赤倉観光ホテルに駐在していたアメリカの進駐軍の隊長さんにスキーを指導したりもしましたよ。そのうち赤倉に来るスキーのお客さんがどんどん増えてきて、民宿のようなことを始めたんです。

旅人を温かく迎えてくれる旅館おかやま

スキーや登山で発展した赤倉の町

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スキー場内に建つ赤倉観光ホテル。日本の高原リゾートの草分け的存在

 紘一郎氏 昔はスキーの装備も今みたいなものはありませんから、ウェアも木綿か何かで、靴も登山靴などさまざま。だからスキーに合わせるのが大変でした。子どもの頃は、お客さんのそれを調整するのが仕事だったですよ。 赤倉観光ホテルができたのは昭和12年。その頃は駅からここまで歩くかソリでした。馬ソリや雪上車が走るようになったのは中学生のころです。学生時代は学校まで徒歩かスキーでしたから、よく雪上車の後ろに掴まって怒られましたよ(笑)

 登山の案内人もけっこうやりました。燕に比べると道が若干、楽でしたから、こちら(赤倉)からの登山道はけっこう使われていましたね。大谷ヒュッテのすぐ横には露天風呂があったんですよ。大谷ヒュッテを建設した大谷さん(※)の別荘が赤倉にあって、小さい頃には牛乳配達をしていました。

(※注:京都・東本願寺の法王。昭和10年(1935年)に大谷ヒュッテを建設)

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妙高山登山には、赤倉観光スキー場の「妙高スカイケーブル」が使える

妙高山と一緒に歩んできた70余年

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妙高山を間近に望む。山が生活や文化を育んできた

 紘一郎氏 ここに長年住んでて思うのは四季折々の変化があるということですね。ウィンタースポーツや山菜など、季節ごとに山の変化があり、また温泉など山の恵みのお陰で生活しているんですけれども、シーズンにおいてのメリハリがあることが、人間にとって大事な感性を醸成してくれると思ってます。人の顔色を見て今日は具合が悪いのかとか、花がしおれてれば、水やんなきゃとか最近雨が降ってないなとか。そういう感性はすごく大事です。天気も良いときばかりじゃないですから。そういう意味では、感性を醸成させるには自然の中に身を置くことがいちばんだと思っています。

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木のぬくもりがあふれるロビー。廊下にも畳が敷かれて心地よい

幅広い層に愛される、普段使いの温泉旅館に

 慎太郎氏 2013年に宿をリニューアルしました。その頃は宴会のお客様がほとんどだったので、宿泊もできるように改装し、露天風呂と貸切風呂も作りました。今は、シニアやファミリーのお客様が泊まられることが多いですが、トレッキングのお客様もいらっしゃいます。最近は地元の方も増えてきました。“普段づかい”をしていただけるような宿にしていきたいと思っています。

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三代目の若旦那、慎太郎さん

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客室は、木の香りに満ちた和モダンテイスト

 温泉の泉質は、炭酸塩硫酸水素塩泉です。単純泉で刺激が強くないので、湯当たりも起こしにく、お子様とかお年寄りにも良いですよ。あと、傷にはすごく良くて、切り傷、擦り傷には、本当にてきめんだと思います。父親が味噌汁の寸胴を頭からかぶって顔から下を火傷したことがあるんですが、今はまったく跡が残っていないんですよ(笑)。

山々を望む露天風呂

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旅館の仕事に励む慎太郎さん

海の幸と山の幸。多彩な食材を使った料理

 慎太郎氏 「土地のもの」っていうのが、基本的に出すべき料理だと思っているんですよ。でも、ここは新潟県だけど、食文化という意味では北信の影響も受けています。文化がミックスされている場所なんです。山の麓にありながら、車で30分も行けば日本海ですから。調理は、板前さんなどをおかずに、基本的には家族でほとんどやっています。山菜やキノコ採りにも興味があって、将来的には、自分で山から採ってきてお出ししたりもしたいなと思っています。

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豊かな食材を使った豪華な夕食。一品一品の味が光る

カジュアルにアウトドアを楽しめる場所を提供したい

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妙高山麓にあり、頸城五山トレイルの拠点としても最適

 慎太郎氏 今、庭にコテージを作って、もっとカジュアルにアウトドアを楽しめるようにしたいと考えているんです。食材を持ち込んでバーベキューをするなど、お客さん自身がプランを作って楽しめるような場所を作ろうかと。そこにカフェを併設したり、Eバイクのレンタルをしたりして、地域を楽しめるベースキャンプのような場所にしたいんです。そこに人が集まることで、地域も活気が出るのかなと思っています。
私自身、子どもの頃からスキーをやってきて、今もたまにですが子どもの付き添いでスキーに行きます。スキーのリフレッシュ感ってすごいですよね、本当に解放されるというか。登山も同じだと思いますが、上手下手とか関係なく、改めて良いなぁと思いますね。 頚城五山トレイルの取り組みも、すごくユニークだと思います。小谷や糸魚川など、文化や景色の違うところが、実は集合体なんですよね。山という大動脈を歩いてつながるっていうのがユニークだと思います。

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